性病に関する知識


性病(STD)・性感染症 とは

性行為によって感染する病気です。ですから性器に症状がでる病気とは限りません。反対に性器に症状が出たからといって性病だとも断定できません。
全般的にいえることは、粘膜どうしの接触で感染するということで、口から性器へ、または性器から口へも性病は感染します。ただ、手の接触や一緒に入浴したくらいではほとんど感染しません。また感染経路は男女間とは限らず同性間でも感染します。

大部分の性病は医師による治療を受けなければ完治しません。細菌性の性病は専用の抗生物質を使えば治りますが、途中で治療を中断すると治りにくい状態になって再発する場合が多くあります。自己判断による治療はたいへん危険だとの認識を持って下さい。

治療も薬も保険が適用されますが、健康保険を使いたくない人は自費での検査・治療も出来ます。


おもな「性病(STD)・性感染症」の種類

※最近症例の多いもので、全てではありません

クラミジア

潜伏期間:
1~2週間

症 状:
尿道にむずがゆい痛みがあり、白っぽい膿が出る。女性の場合は自覚症状がほとんど無い。

治 療:
2週間位の抗生物質の服用

備 考:
初期症状がでない場合があり、男性では睾丸や前立腺、女性では卵巣や卵管まで菌が入って、慢性化することもある。男女とも不妊症の原因になることがある。

雑菌性尿道炎

潜伏期間:
1~10日

症 状:
排尿時の痛み。膿は出ない場合が多い。女性の場合は自覚症状がほとんど無い。

治 療:
1週間位の抗生物質の服用

備 考:
オーラルセックスでなることが多い(口は雑菌も多い)

淋病

潜伏期間:
3~10日

症 状:
排尿時の痛み。黄色い膿が出る。女性はおりものが増えるが痛みはあまり無い。

治 療:
1~2週間の抗生物質の服用

備 考:
薬の効きにくい耐性菌が現れている。

軟性下疳

潜伏期間:
3日~1ヶ月

症 状:
性器に赤い斑点が多数できて痛い。そけい(股)のリンパ節が腫れて痛む。

治 療:
4~6週間の抗生物質の服用

備 考:
口の中や、尿道の中だけに出来るものもあります。

性器ヘルペス

潜伏期間:
1~2週間

症 状:
性器に小さな水泡が多数できて、それが破れて痛い。

治 療:
抗ウイルス剤の塗布・服用

備 考:
ウイルスが神経の中に住みついてしまい、慢性化する可能性が高い。

梅毒

潜伏期間:
3~5週間

症 状:
性器に痛みのない硬いしこりが出来る。症状が進むと全身にかゆみを伴う小さな斑点が多数出来る。

治 療:
1~3ヶ月の抗生物質の服用

備 考:
症状が現れない場合があり、血液検査が必要。

尖圭コンジローム

潜伏期間:
1~12ヶ月

症 状:
亀頭の周りや膣口の周囲に細長い米粒状のいぼが多数できる。

治 療:
電気メスによる焼却や抗ガン剤軟膏の塗布

備 考:
潜伏期間が長く、手からもうつる。再発が多い。

カンジダ症

潜伏期間:
1~2週間

症 状:
亀頭が赤くなりかゆい。膣の中、外陰部がかゆい。

治 療:
抗真菌剤軟膏の塗布

備 考:
誰でも持っているカビによる自然発症。体の抵抗力が落ちたときに根を張って繁殖する。

エイズ(性行為に原因するもの)

潜伏期間:
数ヶ月~数年

症 状:
発熱、リンパ節腫脹、咽頭痛、発疹、筋肉痛等の症状が現れ始め、カビによる肺炎や皮膚の悪性腫瘍などで発症する。

治 療:
今のところ効薬は無し

備 考:
感染後3ヶ月以内の血液検査は無意味。